勝手に始まった連載(?)「やのなみ肩書き探しの旅」ですが、今回はその趣旨について書いておこうと思います。
2020年3月末、「高校教員」という確固たる肩書きを捨てました。
思えば、私にとってその肩書きは、「自分が何者であるか」を示すものと言うよりは、話のネタにしたり、高校教員らしからぬ自分とのギャップをアピールするためのものでした。地域のイベントへ出向けば「高校の先生が、こんなところでこんなことしてるの!?」と言われ、新しく出会った人に自己紹介すれば「先生に見えないね。」「先生やりながら他のこともやってるなんてすごいね!」などと言われ、それらの反応を楽しんんでいる節もありました。自分という人間と「高校教員」という肩書きとのギャップ自体が、自分のアイデンティティだとさえ感じていたのです。そう、「高校教員らしからぬ高校教員」。…先生らしくない先生が学校にいた事には一長一短あったと思いますが…。
さて、高校教員でなくなった今、何をしようが、どこにいようが、どんな格好をしようが、「無職」の人の為せる技なのでネタにすらなりません。正直寂しいです。
それに、肩書きを失った今、何が一番ソワソワするかって、「名刺を持っていない」こと!
vol.1にも書きましたが、私の得意技は「移動と対面」。行く先々で出会う人と名刺を交換し、たくさんの繋がりを築いてきました。最初はビジネスライクで慣れないと感じていた名刺交換も、名刺をもらう経験が増えたことでその重要性を理解し、積極的に交換するようになりました。
実は、愛媛の多くの教員は名刺を持っておらず、名刺交換の文化はありません。部活や研修で顔を合わせるメンバーは大体決まっているし、先生の名前なんてちょっと調べればすぐに分かるので必要ないんですよね。ゴゾゴゾとあちこちへと動き始め、コミュニティを拡大し始めた頃、「爪痕を残す」ためにも名刺が必要だと思い、手作りするようになりました。ここ数年は、教員の肩書きとSLOWS(四国国際理解教育研究会)メンバーの肩書きの両面構成で作っていました。
今でもSLOWSの肩書きはあるので、それで名刺を作っても良いのですが、それだけじゃ物足りないんです。
唯一無二の私だけの肩書きが欲しい。
肩書きを見たらすぐに、自分に何が出来て何がしたいのかが分かる肩書きが良い。
そして名刺はおしゃれな方が良い!
ところがところが、自分自身が何者として生きていきたいのかがはっきりしない。
SDGsにはライフワークとして取り組んでいくつもりだし(SDGsは2030年までの目標ですが)、各地…特に南予で頑張っている大好きな人たちのフォロワーとしても活動は続けるし、今年はキャンプの可能性を探ってデイキャンプなど企画しているし、求められれば英語のスキルを使って誰かの役に立ちたいし、今一番気になっているのはデンマークの社会教育だし、仕事を辞めてますます「豊かさ」や「幸せ」について考えているし、こんな時代だけどやっぱり移動と対面が好きだし、そして夫婦二人暮らしだけど妻としての務めもある。
考えれば考えるほど分からなくなる。
それに、どうも私の中に「仕事」と「暮らし」の垣根がない。
「肩書きなんて必要ないよ」という人も居る。それもそうだ。興味が散らかっているけどやりたい事はあるし、それなりに活動もしている。それぞれの場所で「やのなみ」個人として動いているし認識もしてもらっている。何より、好きなことを何でもできるこのフリーダムは最高。
でも…
でも!!!
「私はこういう角度から社会貢献に取り組んでいます」って、なるべく簡潔にさらっと自己紹介のタイミングで言いたいじゃない。さらっと名刺を渡してしっかりと爪痕を残したいじゃない。
そんな肩書きを見つけようと思って、肩書き探しの旅は始まりました。
強力なる伴走者は「愛媛の板書屋さん」こといわしーです。整理整頓が苦手な私の頭の中を一緒に見てもらって、お片付けを手伝ってもらおうと。
そして鼻の下が伸びちゃうようなおしゃれな名刺を作ってしまおうと企て中です!
というわけで、この連載には肩書きにつながるかもしれない心にうつりゆくよしなし事を、徒然なるままにそこはかとなく書くものです。
次回は、最近いろいろ試しているキャンプについて書いてみようと思います。
「こんなこと企てたいんです!」
「あんなことできますか?」… などなど、
みんなで企てる、ヒミツキチのこと、
なんでもお答えします。
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