八幡浜のコワーキングスペース「コダテル」では小学生以上を対象に、プログラミング教室を開講しています。
今回は、そのプログラミング教室に通わせているママに、プログラミング教室を通わせている理由や、この場所だから育むことができる子どもの力を紐解いていきます。
2020年4月から小学校で必修化されるプログラミング教育。文部科学省などが、民間企業と連携した取り組みを進めると発表したことで、実施に向けた準備が本格化することになりました。2020年4月全面実施の小学校新学習指導要領では、総則で「コンピューターに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付ける」と規定。プログラミングを学ぶことで期待されるのは、物事を順序立てて整理する力や、物事を論理的に考える力が身につくということです。
そんなプログラミング教育に先駆け、八幡浜でプログラミングを学べる教室が開講されています。
コダテルは、向灘の古民家を改装したコワーキングスペースです。プログラミング教育の必修化に合わせ、コダテルでは、南予で初となるプログラミング教室を開講しました。ここでは小学生から中学2年生まで計14名の生徒がプログラミングを学んでいます。
コダテルでは、パソコンやスマートフォンで動くアニメーションを実際に制作しながらプログラミングを学ぶことができます。さらに、コワーキングスペースならでは、プログラミング教室のほかに、年齢、職業もバラエティに飛んだ人が、起業や事業化に向けて切磋琢磨している場所です。子どもが小学生から、中学生にかけて、社会に良い流れを生み出したい!と取り組もうとしている大人と出会えることは、学校とはまた違い、多様な価値観や生き方を学ぶ良いきっかけになるはずです。そこで様々な大人と関わりながら、実社会でのコミュニケーション方法や職業観を育むこともできるでしょう。
コダテルでは、プログラミング教室を通して見つけた子どもの興味や関心を大切に授業とは関係ない質問や「これがやりたい!」といういう子どもの意思を尊重し、一緒に学び考える授業を実施しています。子どもが興味を持ったことは多彩な大人が集まり、知見を発揮して、自発性を大切に、挑戦できる環境を整えています。自分の「やりたい!」を大切に、物事に取り組み、やってみることで「自分はやればできる」という自尊心を育むことができる環境です。
コダテルの教室で使用する教材は、単にプログラミングを学ぶだけのものではなく、教科学習を意識した教材が用意されています。その中でも、算数(数学)などの基礎学力の向上をめざし、改善されてきた教材なので、効率的で、濃密な学習が可能です。数学は、問題を解く中で養える「論理的思考力」、問題設定から適した公式や解決法を選択する「判断力」、記述式の答案を記載する「表現力」を磨くことができます。「自分で考え、判断し、表現する」というこれからの時代を生き抜く上での重要な力を育むことができます。
今回、コダテルのプログラミング教室に小学3年生の長男と小学1年生の次男、子ども2人を通わせる水本沙織さんにお話を伺いました。
年齢的に、そろそろ友達との遊び方の中に、ゲームが入ってくる。ゲームで遊ぶ前に、ゲームを作る面白さを知って欲しかったんです。
と沙織さん。ゲームをする側から入ってしまうと、享受する側になるが、あらかじめ、作る側の視点を学んでおけば、ゲームをするときにも、内容の良し悪しを判断できるようになるのではという思いから、習わせることにしたと伺いました。作ることを学んだ上で、ゲームで遊ぶことを知れば、確かにゲームを作る側の視点で物事を見ることができ、ゲームで遊ぶことが学びになるのではないかという可能性を感じることができました。
沙織さんは子どもたちの未来を考えた視点からもプログラミング教室に通わせる理由を話してくれました。
将来につながる仕事は何かと考えた時に、AI側を制御する人が必要になります、そんな世界が来るときに、プログラミングなど、作り手側にいれば、働き方の選択肢が広がったり、世界中どこでも働ける可能性があるのかなと思っています。そんな子どもの可能性を広げる一歩がプログラミングを学ぶことになるのではないかと考えています。
確かに今の子どもたちが生きる未来は、不確実性が高く、今のうちから働き方の選択肢を複数持っておくことが重要になってくると考えられます。その中で、今の社会背景から切っても切れないITとの関わりを早い段階で持つことは、必要不可欠ではないかと考えました。
長男の大志くんは1年前からプログラミングを学んでいます。プログラミングの中では、絵を描くことができるので、絵を描いたり、空想することが好きな大志くんは、表現先ができて楽しそうとのことです。図書館に連れて行った際には、自分で次のゲームの題材として使用する絵を考えるため、自主的にゲームの題材になるキャラクターのデザインストックを集めるようになったそうです。沙織さんは大志くんの変化について以下のように話してくれました。
今まで、自分でやりたい!ということを見つけられていない状態でした。
それが、子どもが自主的にやりたい!と思えるものを見つけ生き生きしている姿を見ることはすごく幸せなことですね。
大志くんの場合は元々、表現することが好きだったこともあり、その表現先が今回のプログラミング教室での「ゲームを創る=表現すること」に繋がった結果、好きだから自分で学ぶという良い循環が生まれていると考えられます。
沙織さんは、大志くんの弟である昇志くんもプログラミング教室に通わせています。昇志くんは「お兄ちゃんが学んでいるのならば自分も」と自らの意思で通わせたことです。それにより、パソコンを使うということに慣れ、検索能力が高く、セキュリティも自分で外してしまうなど、気がつけばデジタルネイティブに育っているとのことです。その長男、次男の影響を受けた三男も5歳で自分が好きな画像を収集の要望をするなど、驚くほど飲み込みが早いとのことです。そんな主体的な子どもたちについて、沙織さんにどう育ってほしいかを伺ってみました。
子どもたちには、親が何かおしつけるのではなく、自分の好きなことや、自分の使命みたいなものを見つけ出して、見つかったら、全力で応援する側になりたいです。中学校卒業したら自立できる状態になっている状態が理想ですね。早いうちから、自分で生きる力、稼ぐ力を身につけてほしいです。
そう話してくれました。プログラミングのみならず、大人の起業や事業化支援を行っているコダテルだからこそ、多様な人とのつながりの中で、沙織さんが望むような子どもたちの自立する力を育むことができるのではないかと思います。
今回インタビューさせていただいた沙織さんご自身も、SDGsについてや英語の授業など、コダテルのプログラムに参加されたことがあるとのことを伺いました。そんな沙織さんにコダテルは家族にとってどんな場所ですか?ということを質問してみました。
コダテルは、私たち親子にとって、何かが生まれる場所です。新しいことに挑戦されている方もいますし、これから何かをやりたいと思ったときに、巡り巡ってコダテルで出会った縁が生きてくるときが多いんです。
と話してくれました。沙織さんは、普段は会社で働きながら、茶道を通して日本文化を楽しく継承していく取り組みや、商店街での空き家物件を活用したイベントなどを実施されていらっしゃいます。そのイベントの際にも、商店街のイベント出店に関わってくれた方がコダテルの会員であり、ご縁があったとのこと。
八幡浜の多彩な人が集まる場所だからこそ、縁がつながり、イベントに繋がっていく場所がコダテルであるのだと感じました。
子どもの自主性を育み、母の好奇心を刺激する出会いを生み出す。そんな家族で学べるコワーキングスペースに是非足を運んでみてはいかがでしょうか。
「こんなこと企てたいんです!」
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